ブランド紹介
4th-market
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4th-marketに見た、ものづくりの本質
4th-market、所在地は三重県四日市市。 四日市で陶磁器といえば、伝統工芸品にも指定をうけている萬古焼が有名です。 萬古焼の特徴は「ペタライト」という鉱物を陶土に混ぜることで、高い耐熱性を持たせる点です。
ペタライトが入った陶土
中でも「土鍋」や、ブタの蚊とり線香置きが有名です。特に土鍋は、国内シェアの7~8割と萬古焼が圧倒的なシェアを誇っています。 - 4つの窯元 - そんな萬古焼の産地四日市で、2005年に4th-marketは誕生しました。
4th-marketの土鍋「アグラ」
4th-marketは四日市で焼物を生業とする「山口陶器」「竹政製陶」「三鈴陶器」「南景製陶園」、この4つの窯元が集まり創った会社です。その背景から、会社の名前が4th-marketなんですね。それぞれの窯元は4th-market内において大まかに役割分担をして製作しています。 「山口陶器」と「竹政製陶」は食器を中心に、「三鈴陶器」は土鍋などの耐熱食器を、「南景製陶園」は急須を、といった具合に。 もちろん各窯元はそれ以外の分野も作れますし高い技術を持っています。 しかし、最も得意とする分野を元に線引きをした結果この役割になったそうです。つまり、4th-marketから生まれる製品はそれぞれの窯元の代表選手の集まりのようなものなのです。 - 4th-marketの始まり - とあるイベントで偶然出会った4人の職人と1人のデザイナー。年齢も偶然30代と皆近く、偶然理想とするカタチも一致しました。 「何でも無い日常の中に自然と溶け込んでいるのに、どこか愛着を感じるモノ。気取りすぎず、可愛すぎず、シンプルなだけでもないモノ」 いいものを長く大切に使ってもらいたい。そして長くいいものを作り続けたい。そんなコンセプトの元、4th-marketはスタートしました。 - 4th-marketだからできることを追求 - 4th-marketの根底にある考え方。 ・長くいいものを作り続けていく ・何気ない日常の中に存在し続けるものづくり ・一過性の流行にはしない ・どこにいっても売っているような存在は目指さない だからこそできることがあります。 1.手間ひまをかけたものづくり 大量生産をしないので初期製造の段階から大量に作る必要がない、ズバリ4th-marketの強みです。 デザイナーが「こんなデザインで作りましょう」と提案し、本来ならリスクが大きくて挑戦しづらいデザインでも、数が少ないからチャレンジができる。失敗を繰り返してじっくり満足いくまで作り上げていけるんです。 自分たちが作った4th-marketだからこそ徹底的に追求したい、だからこそ生まれる他とは違った商品達。 案外これって当たり前のようで出来なかったスタイルです。 4つの窯元が理想を求めて作った会社だからできるものづくりです。本来ものづくりってこうあるべきなのではないでしょうか。 最近多くのものづくり会社では、売り上げを安定させるため安定した大量注文がある大手との取引が主となり安く多く作れるような製品を中心に作っています。 もちろんビジネスなのでそれもひとつの方法なんですが、そんな中では持っている技術を活かした「いいもの」を作ることはできない。 手間ひまをかけて丁寧にひとつの商品を作り上げる4th-marketだからこそ、ほかではあまり見たことがないような「ん?」と思わせるものを作ることができるのだと思います。 2.いいものを日常に 本来、手間ひま掛けた分出来上がった商品の価格は高くなってしまうものです。 が、商品の価格を見てもらうとわかるんですが、高くはないんですよね。 4th-marketは、これまでとは販売のルートが大きく異なるのです。 手間はかかるが基本的に小売店との直接取引をしています。当店も卸さんを介さず直接のお取引させてもらっています。 これにはいくつか理由がありますが、大事なことは『4th-marketのコンセプトに共感してくれる販売先にのみ販売ができる』ということ。結果的に、間に商社を挟まないルートでの販売がメインとなったことで、ユーザーへ手頃な価格で商品が提供出来ることへ繋がりました。 つまり、手間ひまが通常よりも何倍もかかったものであるにも関わらず、買う側は手頃な値段で本当にいいものを手にすることができるようになったのです。 3.ずっと使える コンセプトの「いいものを長く使ってもらいたい」を実現すべく、4th-marketでは商品を廃盤にすることは滅多にないそうです。基本的にはいつでも買い足す事が出来、商品によっては部品でも購入する事も出来る。 「流行ものにするつもりはない、流行にすると廃れるから」4th-marketの商品はそのものが日常なのですね。 日常は色あせないし、なくならず常に身近にあり続けて、安心させてくれる。本当にいいものは日常でこそ必要なはずなのです。 - 4th-marketの好循環 - 4th-marketの存在は、窯元自身にも良い影響があるそうです。 各窯元、以前はチャレンジングな商品開発は出来ていなかった。「もっといいものを作りたい」という気持ちはあっても時間・価格・人など様々な制約があり実現出来てこなかった。 その制約をすべて好転させたのが4th-marketという取り組みでした。 新しい取り組みは作り手へのモチベーションにも大きく影響を及ぼしました。 4th-marketの製品を作る上で、新たな技術・技法が生まれ、他の製品づくりにも良い影響を与える。当初は想像していなかった程の好循環が生まれたそうです。 最後に、取材時の動画をいくつかご紹介します。 取材にご協力を頂いた4th-marketの皆様、ありがとうございました。 |
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4th-marketの商品一覧