船に日常的に当たり前につけている船舶電機。特に珍しくもないもので、「これは船につけるもの」と考えてました。
けれど沖崎さんの奥様が共に仕事をすることなったとき、この電球を見て「これ可愛いじゃない」と言ったとき初めて気づいたのです。これは一般の人にとっては「良いもの」なんだということを。
沖崎さんが興味深い話をされていました。
「船舶電球をB to B で販売していこうとしていた当初の話なのですが、漁業関係の方がご自宅を新築されたので船舶の電球を玄関先につけることを提案してみたのですが、すごく怒られました。。」
「そんな船につける電球を家につけるわけがないだろう、と」
同じものでも誰がどんな目線で見るかでこんなにも感じ方が変わるのですね。
おそらく奥様の「よそものの目」がなければフネノデンキヤは生まれていなかったのだと思います。
その後、船舶の電機を今までとは違った形で事業の柱とできないか考え始めました。
不慣れな"ものづくり"
船舶電機を玄関先など建物の周りで使ってもらうべく営業を始めました。建築会社、設計会社、デザイン会社へDMを送るなどしてまずは従来から行ってきたB to Bの仕事からでした。
この場合はB to Bであること、そして製品は今まで扱ってきた電機をそのまま使うため先の例を除いてはそれほど問題なく進みました。DMを送った先のいくつかの会社とは継続的に取引も続いているそうです。
次に取り組んだのは自社のオリジナルブランドを作りB to C での仕事でした。今まで船舶の電機工事を中心として行ってきた沖崎さん、やはりそう簡単にものづくりができるわけではありませんでした。
まずは船舶の電機を使って何を作れるか。様々アイデアは出しましたが、やはり極力船舶の電機をそのままの形で生かした商品が良いと考えスタンドライトを作ることになりました。