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tesio ブランド紹介
tesio サングラス ブランド紹介


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例えばtesioを使い3年を迎えた時、どんなコンディションにあるのか。 共に過ごしてきた期間の満足度はどうだったのか。 一般的にモノの価値は、買った時にピークを迎えることが多いようです。でもそれを変えたい。 長く使う中で、その人にとっての価値がむしろ高まっていくクラフトサングラスを目指しています。   


tesio取材記


今回は、眼鏡産業の聖地として、日本国内だけでなく海外からも支持される福井県・鯖江(さばえ)市にお邪魔しました。

鯖江市の中心地を車で走ると、眼鏡の文字やマークがいたるところに見受けられ、町全体が眼鏡の一大産地として盛り上がっている様子が伝わってきます。
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お話をお伺いしたのは、1957年に創業した老舗の眼鏡メーカー「谷口眼鏡」の永山恭平さんです。

自社ブランドに込められた想いから、鯖江の歴史、眼鏡作りの工程まで。眼鏡にまつわるお話をいろいろ聞かせていただきました。

普段何気なく掛けている眼鏡ですが、実は私たちの知らない事実がまだまだたくさんあることに驚きました。この取材記で、しっかりお伝えしたいと思います。


掛け心地の良さに、こだわって
谷口眼鏡は、ストレスなく掛けられる眼鏡にこだわり、自社ブランド『TURNING』(ターニング)を展開しています。
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長年培ったその眼鏡技術を応用して、2020年にはクラフトサングラス『tesio』を発売しました。
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日本人の顔に合わせて作られた、独自のアジアンフィット設計が特徴です。
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気に入ったサングラスを、ずっと長く使い続けてほしいから。
傷がついてしまった時の修理やメンテナンスなどのアフターケアも充実しています。
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サステナブルなモノ作りが叫ばれる、今の時代にぴったりなサングラスです。


若いスタッフが集まる理由
谷口眼鏡にお邪魔させていただいて、まず最初に驚いたのが「若い人が多い!」ということ。『眼鏡職人』と聞いて一般的に思い浮かべるイメージより、ぐっと年齢の若い人たちが眼鏡作りに取り組んでいます。

老舗のモノ作り企業では高齢化問題に苦しむところもありますが、谷口眼鏡ではなぜ若者が集まっているのでしょうか。
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「学生さんの見学を受け入れたりイベントに参加したりして、会社をオープンにしてるんですよ」と永山さん。

とくに、鯖江市一帯で毎年行われる『RENEW(リニュー)』という工房見学イベントは、3日間で3万人が集まる国内最大規模のイベント。谷口眼鏡も、普段見ることができない眼鏡作りの現場を一般の人に向けて公開し、ワークショップを開催しています。
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「鯖江市自体が地場産業を盛り上げていて、移住者を受け入れる施策にも力を入れています。そういう流れもあって、うちで職人を募集すると県外からもたくさん応募が集まるんですよ。私も関西出身ですし、富山や千葉から移住してきたスタッフもいますね。職業も、眼鏡業界の経験がある人はほぼいません。ゼロからのスタートで学んでいく感じです」

積極的に開かれた会社。移住しやすい地域性。
環境が整っているからこそ、若い人が思い切ってチャレンジしやすいのでしょうね。


眼鏡職人に男も女もない
現在谷口眼鏡では、男女合わせて11人の職人さんが働いています。

「眼鏡職人は、手の感覚で捉えながら作業することが多いので、男とか女とか関係ないんですよ。でも、一般的に職人さんのイメージって男性が多いみたいで。取っ付きにくい、めちゃくちゃ神秘的な仕事なんじゃないかって思われがちなんです(笑)」と永山さん。
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「実際は全然違います! うちでは『昨日までアパレルで働いていました』という人でも、今日から眼鏡職人になれるんですよ」


鯖江の眼鏡と他の眼鏡、どこが違うの?
世の中にはさまざまな眼鏡がありますが、鯖江の眼鏡と他の眼鏡の、最も大きな違いってどこなのでしょうか。
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「使っている素材と、作り方が違います」と永山さん。

「一概には言えませんが2万〜3万円以上する鯖江の眼鏡は、素材に『アセテート』や『セルロイド』が使われています。これは、綿花を原材料にした植物性のプラスチックです。柄が付いた板状の素材を削り出し、200以上の工程を経て作ります。傷が付いても磨くときれいにリペアできるので、価格は高いけれど、長くお手入れしながら使うことができます」
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一方、価格の安い眼鏡で主に使われるのは、石油系のプラスチックです。水あめ状の素材を型に流し込んで大量生産します。柄は転写しているので磨くと消えてしまい、リペアに向きません。値段が手頃なこともあり、傷が付いたら買い替えるのが一般的です。

同じように見える眼鏡でも、素材によってここまで大きな違いがあることに驚きました。とくにアセテートが綿花(コットン)からできているなんて、不思議ですよね。植物由来の素材なので、環境にも優しいのが魅力です。


アフターケアも含めた、長いお付き合いを
自社ブランド『TURNING』は、地域に密着した眼鏡店や、個人経営の眼鏡店を中心に販売しています。

「眼鏡は、基本的に視力矯正の医療器具です。検眼をして、レンズを入れて、フィッティングをして完成品となります。なので、それができる眼鏡店でしか販売をしていません」と永山さん。
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眼鏡店で購入すると、使い込むほどに生じるねじれやゆがみを直したり、磨きをかけて傷をリペアしたりといったアフターケアも依頼できます。

「お手入れしながら長く使えるのが、鯖江の眼鏡のよいところ。なので、眼鏡店で購入してもらうと、アフターケアも含めた上で長いお付き合いができます」


鯖江眼鏡のはじまり
リーズナブルな眼鏡が多く出回り、壊れたら買い替えるという流れが当たり前の現代。
修理しながら長く使い続けるという鯖江眼鏡のスタンスに、驚いた人も多いのではないでしょうか。

「鯖江眼鏡の歴史は100年以上続いてるんですけど、昔の鯖江は職人しかいなかったんで、『伝える』ことが苦手で。鯖江の眼鏡が『なぜいいのか』を、ちゃんと世の中に伝えられていませんでした。恥ずかしながら、ここ数年で本格的に情報発信をやり始めた感じです」と永山さん。

そのおかげで、最近は「眼鏡=鯖江」というイメージが定着してきました。
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ところで、そもそもなぜ福井の地で、眼鏡作りが始まったのでしょうか。

「日本国内が農業から工業へと変わってきた、明治時代。福井は冬場になると雪がたくさん積もるので作物が育たず、農家にお金が入ってきませんでした。そこで、家の中でもできる仕事として盛んになったのが眼鏡作りです」

もともとは大阪から職人さんを呼んで、眼鏡作りを教えてもらったのが始まりだったそう。ところがその後の戦争で大阪・東京といった都会は大きな被害を被り、眼鏡職人が激減。

そんななか、被害の少なかった鯖江がどんどん眼鏡作りの技術を磨いていき、現在は日本製フレームの90%以上を作る一大産地として発展しました。


逆境から生まれた『TURNING』
しかし、鯖江眼鏡の歴史も順風満帆だったわけではありません。
1996年頃、いわゆるスリープライスショップと呼ばれる安価な眼鏡が続々と世の中に登場し、鯖江眼鏡の仕事が一気に中国に流れた時期があったそうです。

「当時うちは大きな眼鏡会社の下請けをしていたんですが、その会社が倒れてしまい、仕事がほとんどなくなって厳しい状況に追い込まれました。でも、うちには長年眼鏡のフレームを作り続けた技術・ノウハウがある。そこで自社ブランドを立ち上げて、自分たちで眼鏡を作り販売することにしました」
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こうして誕生したのが『TURNING』です。

「当時、二代目(現・谷口社長)は眼鏡店で修業をしていました。接客をしたり、たくさんのブランドを見たりした経験が、今の眼鏡作りに生かされています」


日本人が掛けやすいサングラスを求めて
では、サングラス『tesio』が生まれたきっかけはどうだったのでしょうか。

「きっかけは、いくつかあるんですけど…まず先ほどお話したように、『TURNING』は眼鏡なので眼鏡店で販売することを目的としています。でも、サングラスは眼鏡と違って検眼がいらないので、眼鏡店以外でも販売できるんです。アパレルのお店や雑貨店といった、眼鏡業界以外のところに出せる。業界をまたいで販路を拡大したいという、会社の経営方針を叶えることができるな、と」
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「もうひとつは、僕自身、欲しいサングラスがなかったんです(笑)。なので、サングラスを作りたい!って、社長にずっと言ってました(笑)」

現在市場を占めているサングラスのほとんどが海外製。しかも価格の高いハイブランドか、安い樹脂製の2択しかありません。

日本人が掛けやすい日本製の「眼鏡」はたくさんあるのに、「サングラス」がない。
しかも、ちょうどいいデザインで、ちょうどいい価格帯のサングラスがない。
そのことに気付いた永山さんは、約半年でブランドを企画してリリースまでこぎつけました。

「うちは『掛け心地が良い』と言ってもらえる眼鏡作りの技術を持っていたので、それをサングラスに応用して展開しています。土台があったから、すっといけましたね」


毎日の暮らしにちょうどいい『tesio』
tesioのサングラスには、3つの大きな特徴があります。


■アジアンフィット設計
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海外製のサングラスの多くは、欧米人の顔立ちに合うように設計されています。でも、私たち日本人は、鼻の高さ、目の奥行、頬骨の出方など、欧米人とは異なる顔立ちです。tesioは日本人の骨格に合わせたフレーム設計にこだわり、日本人が掛けやすいサングラスを実現しました。


■スタンダードなデザイン
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日本人の顔立ちと生活スタイルに馴染むのは、スタンダードなフレームデザインだとtesioは考えます。休日に家族とお出掛けしたり、自転車で街を探索したり、アウトドアを楽しんだり。tesioは、使う人の暮らしに寄り添って掛けやすいサングラスです。


■リペアサービス
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『tesio』も『TURNING』と同様に、お手入れをしながら長く使うことができます。傷やゆがみが気になり始めたら、購入したショップや眼鏡店に持ち込んでリペアを依頼するか、谷口眼鏡に直接依頼してください。

「サングラスも眼鏡も、どんどん買い替えるもの、安いものっていうイメージがついてしまった。でも、最近は大量消費が終わって、サステナブルな時代の流れになってきているので、一般の人もそういう目線になってきているのが嬉しいですね」と永山さん。


サングラスの選び方
tesioには、6つのモデルがあります。

ベーシックモデルの「SORA」「HARE」。ガラスレンズを使用した「MACHI」「YAMA」。自転車メーカー「tokyobike」とコラボした「FLAT」「ARCH」。
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どうやってお気に入りの1本を選んだら良いのか、永山さんに聞いてみました。

「よく『この顔型の人にはこのフレームの形』っていうのが言われますけど、僕個人としては信じていません(笑)好きな形、好きな色ならどれでもいいと思うんですよ。気に入った色、形なら気分も上がるじゃないですか。ただ、コロナ禍でマスクと一緒に掛けるのが気になるという人は、クリア系の淡い色のフレームがおすすめです。レンズも淡い色にして目元が見えるようにすると、圧迫感がなくなりますよ」


谷口眼鏡が作られる現場へ
ここからは、工房にお邪魔して眼鏡作りの代表的な工程を見ていきましょう。
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谷口眼鏡では、眼鏡全体の設計、生地やパーツの選定を終えた後、いったんフレームの制作を外注に依頼します。
板状になった生地にカーブをつけ、フレームの形に削り出し、裏取りを終えた状態で外注からあがってきたら、工房で作業スタートです。
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フロント(フレームの正面パーツ)に、鼻パッドを接着します。やすりをかけて滑らかに丸く仕上げることで、鼻当たりを良くします。
画像の上が接着しただけの状態、画像の下がやすりをかけて滑らかにした状態です。
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次に、バレル研磨を行います。これは、油・研磨剤・チップなどと一緒に眼鏡のフレームを入れ、機械を回転させて研磨する作業です。
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バレル研磨は、3段階に分けて行います。第1工程は、プラスチックのチップを使います。もともとはこのような白いチップですが…
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研磨を繰り返すたびに、チップはどんどん丸く小さくなっていきます。先ほどの白いチップもこんな姿に!
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第2工程は木のチップを使います。
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第3工程は竹のチップを使います。チップの硬さを徐々に変えることでフレームの角が落ちていき、傷が消えて滑らかになります。
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フレームのデザインや作業する季節によって、回す時間、油の量などを調整します。マニュアルがあるわけではなく、職人さんの肌感覚で調整を行うそうです。
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バレル研磨の後は、フロントとテンプルそれぞれの結合部分を機械でカットして上手く噛み合うように調整し、丁番で留めます。ミリ単位での細かい作業が求められる、まさに職人技です。
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一本一本手作業で磨きをかけて、丁番部分の段差をとったり、小傷をキレイにしたりして仕上げていきます。羽布(バフ)と呼ばれる布を回転させて磨きます。
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画像の白い物体は、なんと泥! バフに泥をつけることで、摩擦の加減を調整するそうです。
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「一見同じようなフレームに見えますが、ひとつひとつ付いている傷が違います。目で見て、確認しながら手作業で磨かないと、キレイに仕上がりません。機械でできるんじゃないかと思われがちですが、滑らかな肌触りや丸みは機械で出せないんですよ」と永山さん。


一本一本、想いを込めて
谷口眼鏡の眼鏡&サングラスは、どこか柔らかい雰囲気をまとっています。

使い手のことを一番に考えたからこそたどり着いた、掛け心地の良さ。
顔に馴染む、天然由来の素材。
そして、創業以来ずっと守り続けている丁寧な手仕事。
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こうしたことが積み重なって、谷口眼鏡でしか出せない独特の雰囲気が生まれているのだなと思いました。
谷口眼鏡の皆さん、長時間にわたる取材にご協力いただき、ありがとうございました!

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