『きのこのうつわ』

きのこのうつわ  日本いいもの屋









「あちゅまれ~、して」

姪っ子が差し出した器を受け取ったものの、

「あちゅまれ・・・?」

数ヶ月に1度しか会わないわたしには、

2歳にもならない姪っ子の、話す言葉がさっぱりわからない。


「もうごちそうさましよっか?よう食べたね」

ご機嫌を取るように器の中を見せると

「うううん、うううん。あちゅまれして~」

と、首を縦に振ってくれない。ごちそうさまするつもりはないらしい。


「まだ食べたいの?ご飯入れてこようか?」

姪っ子の意図するところを図りかねて提案してみる。

「ちばうちばう!」

どうやら違うと言っているらしい。

姉ちゃん、ギブアップ・・・。とベランダにいる姉を呼ぼうとしたら

「ここ、ここ、あちゅまれ~」

姪っ子が、木の器に残ったごはん粒を指差す。


揃いの木のスプーンで、器に点々と残った柔らかいごはん粒を寄せる。

縁が内側に曲げられているから、スプーンで集めやすい・・・。

「あ、’’集まれ’’か!」

「あちゅまれ~」

姪っ子が言う。呪文のように。わたしも同じことばを繰り返した。

「’’あちゅまれ~’’」

「ちばう!あ、ちゅ、ま、れ~!」

「え~・・・。ハイ。’’集まれ~’’・・・」

スプーンに集めたごはん粒を、姪っ子が頬張った。












ものがたりに登場する商品




きのこのうつわ 3点セット