ブランド紹介
スパイラルアーツ
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江戸後期に西洋からダイヤモンドガラスとして伝わった硬質ガラス、 洗練された日本人の美意識や風土から生まれた和のガラスをギヤマンガラスと呼んでいます。 アメリカはオレゴンで習得した技法をもとにさらに進化すべく日々制作しております。 透明度、耐久性、安定性の高い硬質ガラス、遊び心と豊かさとキラメキをのせて越中富山から<ギヤマンガラス>お届けします。 |
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今回は富山県富山市にあるスパイラルアーツさん取材にうかがわせていただきました。 まずはスパイラルアーツさんの取材についてお伝えする前に少しガラスペンについてのご説明を。 ガラスペンについて ガラスペンは1902年に日本で開発されたもので、毛細管現象を利用しペン先につけたインクを吸い上げ、一度つければハガキ一枚分ほどは続けて書くことができます。当時この利便性から日本だけでなく"日本のいいもの"として世界中に広まりました。しかし現在ではボールペンの普及などであまり日常的に使われることはなくなりました。 しかし、PCやスマホの普及で日常的に文字を書くことが少なくなり、「書く」という行為に改めて向き合う人が増えてきています。そんな変化とともに、今ガラスペンが見直されてきています。 万年筆よりも扱いやすく、あらゆる方向にペンを動かし書くことができ、様々な色のインクも気軽に試せる。 ボールペンでは味わえない手に伝わる「書く」ことの特別感。そしてデザインとしての美しさ。 不思議とガラスペンで文字を書くときは姿勢が正される、"書く"ことに向き合い手紙を書くそんな時間を持つことの贅沢を感じることができる。ガラスペンには現代で少し忘れがちなことを思い出させてくれるような力があるのかもしれません。 ガラスペンということでいうとまさしく「日本のいいもの」といえますね。 ガラスペンの種類 ガラスペンで最も大事な部分はペン先です。このペン先部分のガラスの種類が重要なのです。 日本でガラスペンが生まれた当初は樹脂のようなものをペン先に使っていたようで、現在では多くのガラスペンでは軟質のガラス素材を使っています。軟質ガラスはそれほど高温でなくとも加工がしやすいのですが、ペン先が磨耗しやすいという面があります。 対して硬質ガラスは試験管などにも使われる素材だそうで、一般に耐熱ガラスとも言われています。そのため高温でしか加工ができず、繊細なガラスペンのペン先を形作ることが極めて難しい。しかし、その分ガラスが硬いため丈夫で磨耗しにくい。書き心地についても良いと言われています。 つまり一生もののガラスペンになりやすいという点が硬質ガラスの特徴です。スパイラルアーツで作るガラスペンはその加工が難しい硬質ガラスを使っています。 江戸時代その硬さからダイヤモンドガラスとして日本に伝わった硬質ガラス。当時の人々はそれをギヤマンと呼びました。そのギヤマンからスパイラルアーツのガラスペンはギヤマンガラスペンと命名しました。 当時の人々がギヤマンを見たときに感じた驚き、おそらくそれに似た感情をギヤマンガラスペンは与えてくれるように思います。 ギヤマンガラスペン製作現場へ それではなかなか見ることができないガラスペンの製作現場にお邪魔させていただきます。 スパイラルアーツさんの店舗兼工房 スパイラルアーツ代表の高橋さん ギヤマンガラスペンの仕上がりのチェック ガラスの加工技術についてはアメリカで学ばれたそうで、耐熱ガラス(ボロシリケイト)を使ったアート作品の作家さんは多くなりましたが高橋さんはそれを日本で始めた第一人者だそうです。 製作の現場を拝見 魅力的な工房です 今回見せていただいたのは「ギヤマンガラスペン / ハミングバード」と似たデザインのペン先の加工の工程です。 まずは耐熱ガラスも溶かすことができる特殊な高温バーナーで熱します。 つなぎ目の丸い部分が真っ赤になるまで熱します。 手元では軸を回転させて丸い形状も整えながら。 十分に熱した後、右手にペン先となるガラスを持ち左手に持ち手側を持って慎重に近づけていきます。 綺麗に繋がりました。ここで軸が少しでもずれると書き心地に違和感が生じてしまいます。なのでとても繊細でとても重要なポイントだそうです。 真っ直ぐに繋がっているか何度も慎重にチェックします。 工程ごとに都度微妙にバーナーの調整をされています。微妙な温度の変化がとても重要だそうで何度も何度も試行錯誤されながらベストな加減を考えられたそうです。 綺麗に真っ直ぐと繋がりました。 次に火を当てるポイントはペン先部分です。ペン先を持つ右手と持ち手部分を持つ左手を違うスピードで回転させながら少しづつ少しづつペン先部分のひねりを作っていきます。 早すぎてもダメで、遅くてもペン先の溝がなくなってしまうそうで、まさに職人技といった工程です。 少しづつペン先の形ができてきました。加工前は真っ直ぐの溝がこのように綺麗にひねられてきます。このひねりがなければインクをペン先に溜めることができずすぐにインクがなくなってしまって安定した文字を書くことができません。 最後にバーナーで熱しながら、ペン先を少しづつ回転させながら引っ張ります。 あめ細工のように伸びてきました。そして最後はペン先を切り離してバーナーを使う工程は終了です。 仕上げは、この紹介の最初にも載せた画像ですが、仕上がりのチェックです。 高橋さん曰くこの工程で満足いかなければまたペン先を外して作り直すそうです。最初はこのやり直し率が高く苦労されたそうですが、現在ではやり直し率はだいぶ下がってきたそうです。 経験を積まれた高橋さんですら納得いく仕上がりにならないことがあるということが、どれだけこのガラスペン作りが難しいことなのかということをものがたっていますね。 一連の工程を動画でどうぞ |
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