ブランド紹介
台屋 / 山谷製作所
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「長く使えること」「機能的であること」「シンプルなデザイン」「適正な価格であること」この基本コンセプトを念頭に現代のライフスタイルに合った「あたらしい和の形」をお届けできたらと思います。 そして、台屋製品をお使いいただき上質な暮らし、そして家族のきずなも深めていただければ我々も幸せです。 |
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台屋 / 山谷製作所 取材記
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今回取材にお邪魔させていただいたのは新潟県三条市の山谷製作所さん。鰹節削り器のブランド「台屋」は山谷製作所さんから生まれました。 なぜ鉋(かんな)の製造元から鰹節削り器が生まれたのか?そういった点を山谷製作所の専務であり、ブランド台屋の立ち上げも主導して行われた山谷さんからお話を聞きながら、製造現場も拝見させていただき、少しづつ紐解いていきたいと思います。 右が職人でもある、山谷専務 燕三条。燕市と三条市 山谷製作所があるのは新潟の三条市。ここは隣接する燕市と合わせて「燕三条」として知られる刃物・金物・洋食器などの日本の一大産地です。 「燕三条」最近では共同で開催する地域イベント「工場の祭典」などにも力をいれている産地ですが、実はこの燕市と三条市、以前はあまり仲が良くなかったそう。隣接するが故のことですが、最寄りの駅名は燕三条駅、高速のインターの名称は三条燕。一般に燕三条と言われていることに三条市の方はどう思っているのでしょうか。 話がそれましたが、実はものづくりにおいては燕市・三条市いずれも根っこは同じ、和釘作りにあります。 その結果、燕三条で作れない金物はないと言われるほど、幅広い製品を生み出せるようになりました。 鉋台の製造元。 台屋を手がける山谷製作所は三条市にあります。しかし、鍛冶屋さんではなく木工業を1946年の創業からずっと生業にしています。木工の中でも鉋(かんな)の持つ部分である「鉋台」を作り続けてこられました。いわゆる台屋さんです。 刃と鉋台は、ふたつでひとつ 鉋(かんな)は刃と鉋台でできています。 山谷製作所さんでは鉋台の部分を作り、刃の部分は鍛冶屋さんから仕入れます。鉋(かんな)では刃が全てだと思われがちですが、実は鉋台、木部の職人技が合ってはじめて刃の切れ味がものを言うのだそうです。 また一言で刃と言っても、それぞれが個体差があり丁度フィットするように調整ができるのは木部である鉋台。職人がひとつひとつの刃に対して最適な調整をすることで切れ味鋭い上質な国産鉋(かんな)が生まれるということなのです。 でも実はその職人も減少、以前70社ほどあった鉋(かんな)製造元も現在は数えるほどになりました。鍛冶職人がいて、鉋台をつくる木工職人がいる、この三条という産地だからこそ今もなお国産かんなを作り続けて入れる、これが産地の力なのですね。 鉋(かんな)から鰹節削り器へ こうした表に名前が出ない山谷製作所さんのような製造元の多くはいわゆる下請けや分業の一部を担う形でのお仕事が多いのですが、どうしても様々な環境に左右される部分が大きく不安定とも言われます。 木造建築の減少や、様々な代用道具が生まれるなどして鉋(かんな)の需要は減少しています。ですが同時に産地の同業者も高齢化などで廃業するなどがあり、現在はまだ製造も忙しい状況ではありますが、長い目で見ると不安は残ります。 そこで考えたのは山谷製作所の強みを生かした自社商品、自社ブランドの開発です。 「山谷製作所らしい、山谷製作所だからできる鰹節削り器を作ろう」そう決めた山谷さんはこれまでのノウハウを生かしつつ、現代の食卓用の鰹節削り器の開発を進めました。 山谷製作所だからできること「削り出し製法」 これまであったのは削ったカツオ節を引き出し式で取り出す組み木箱の削り器。 山谷製作所だからできること「素材へのこだわり」 これは鉋(かんな)でも同じ白樫を使用していて、この部分の製造についてはほぼ同じ工程を経て作られるそうです。もちろん最も大切な刃と白樫の調整も熟練の職人が最適な具合に整えてくれています。 製造現場〜木の乾燥〜 ここまででなぜ鉋(かんな)製造元の山谷製作所さんが鰹節削り器のブランド「台屋」を立ち上げることになったのかはお分かり頂けたかと思います。 ここからは実際の製造現場でどのように、鰹節削り器や鉋(かんな)が作られているのかをご紹介します。 まず見せていただいたのは、加工場と別の建物の白樫の乾燥場所。 高く積まれた木材は全て白樫 製造現場〜削り出し〜 しっかり乾燥させた白樫を綺麗に切りそろえ 製造現場〜刃と台の調整〜 次に刃と台部分をひとつひとつ調整しながら合わせていきます。 刃には全て目で見えないぐらいの個体差があるので木の側で職人の勘を頼りに微調整を繰り返していきます。知らなかったのですが、刃と台の部分は1セットになり他の刃に変えれない。変えるためには台側の調整も必要になるそうです。 刃へのこだわり 台屋の鰹節削り器には「青紙」と「SK」という2種類の刃のバリエーションがあります。いずれも本職の大工さんが使う鉋(かんな)にも使用される上質な刃物。台屋は刃物の産地三条のブランド、やはり刃にも並々ならぬこだわりがあります。 対して「青紙」は新潟県与板町の職人が長年の経験と熟練が生み出した刃で、SK鋼から不純物を取り除きタングステンやクロムを添加。耐摩耗性を大幅にアップすることにより長く削れるすぐれた刃物で、一般に高級鋼に分類される上質な刃です。 ・価格を抑えながら品質の高い「SK材」 ・青紙と比較するとメンテナンスの頻度が高め 【青紙】 ・硬いため刃の切れ味が長持ちするように砥げる ・価格はSKより高いが刃が長持ちするのでメンテナンス頻度は低い 製造面で言うと、「SK」は工程の多くが機械で対応できるのに対して、「青紙」はほぼ全ての工程が職人の手仕事です。その分やはり価格は高くなりますが、切れ味や持ちも良く職人の想いが伝わってくるような製品になっています。 本当の鰹節の味を伝えたい。 最近では鰹節は小分けにされたパックのものを使用している方も多いかもしれません。恥ずかしながら私は台屋さんの鰹節削り器と出会うまで削り縦の鰹節というものを食べたことがありませんでした。 鰹節は当然ですが、削りたてが1番風味があって美味しい。わかってはいましたが、実際に食卓で台屋の鰹節削り器を使用していただいた鰹節の美味しさは感動的でした。 山谷さん、そして山谷製作所の皆様、日本いいもの屋の取材にご協力いただき誠に有難うございました!
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鰹節削り器
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